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花戦さのネタバレ 原作のあらすじと結末【小説】

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鬼塚忠(おにつかただし)さん原作の歴史小説

「花戦さ」

 

華道家元の池坊専好(いけのぼうせんこう)が友人である

茶道で知られる千利休(せんのりきゅう)の仇討ちをするために

天下人秀吉に「花戦さ」を仕掛ける物語。

 

映画では池坊専好を野村萬斎さんが演じ、

千利休を佐藤浩一さんが演じます。

 

脇を固めるキャストも豪華で

中井貴一さん、佐々木蔵之介さん、高橋克実さんなどが出演されます。

 

今回は小説「花戦さ」の内容を紹介していきます。

 

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映画予告

 

 

あらすじ

応仁の乱から続く戦乱によって京の人々の心は荒廃していた。

 

京都下京にある「六角堂」には毎日、花を見に来る人が大勢いる。

本堂に飾られている花は美しく、人々は花に心を癒されていた。

 

花を生けるのは池坊専好。

いけばなを追求し、その技術は織田信にも認められる天才。

 

そんな専好の才能を認め、友として長い付き合いをしていくのが

茶聖(ちゃせい)としてその名を知られる千利休だった。

 

しかしその友情も天下人豊臣秀吉によって永遠に失われてしまう。

秀吉の横暴に我慢できなくなった専好は秀吉に対して「花戦さ」を仕掛ける覚悟をする。

 

専好は秀吉をどう「ギャフン」といわせたのか?

 

ネタバレ

専好の人柄

専好にとって「花」とは「命の象徴」である。

常に命と向き合い、その花の命を最大限に引き出しながら、
見る者にも「生きる力」を与える花。それが目指すべき花だった。

 

それを象徴するエピソードがある。

六角堂を訪れる者の中に十一屋吉右衛門(じゅういちやきちえもん)という男がいた。

彼は下京の町をまとめる役で人々からの信頼も厚い男。

 

吉右衛門は娘の初(はつ)が病気で助からないとわかったとき

初の願いを叶えるために専好の元へ花を借りに行くのだったが

専好は吉右衛門の家へ行き、初の目の前で花を生けてあげた。

 

初はその2日後に亡くなってしまったが、それ以来吉右衛門は

専好の花を見るために六角堂へ通い続けている。

 

専好と利休の出会い

1560年5月に尾張の清洲城から「花を立ててほしい」と依頼が来る。

専好の師匠である専栄(せんえい)、専好、専好の弟の専武(せんぶ)たちは清洲城へ向かう。

 

しかし、花を立てるはずの専栄が風邪をこじらせてしまい、専好が代わりに花を立てることになる。

 

「真(しん)」と呼ばれる花のテーマとなる素材を松にして

専好は自分でも傑作と思える作品を作り上げる。

 

そこへ現れたのが利休だった。

利休は専好の作品を見て、「素晴らしい」と称賛するが、

「花が怖い。いつもの専好の作品とは違う。」と意味深なことも言った。

 

花は信長に認められ、専好は天にも昇る気持ちだったが、

専栄に報告にいったときにこう指摘される。

 

「花には自分の心が現れる。今回の作品は花との対話よりも

自分が信長に認められたいという慢心が出たのではないか?」

 

専栄の言葉を受け、専好は自分を恥ずかしく思った。

そしてそれを見抜いた利休を恐ろしいとも思ったのだった。

 

2人の友情

清洲城での出会いがきっかけで2人は仲良くなる。

 

出会いから1年後に再会を果たした利休は専好に

「私に花を教えてほしい」と言ってくる。

 

専好は花を、利休は茶の道を進んでいたが

「美」を極めるのに専好の花を知りたいと思ったのだった。

 

専好は利休に花を教えることにし、それから3年間は花を習いに

足しげく専好の元へ通ったのだった。

 

それから利休は信長の茶頭となり、

信長の快進撃と共にその名を知られるようになった。

 

1582年、信長は本能寺で明智光秀に討ち取られ、その跡を継いだ秀吉の茶頭となる。

1585年には天皇から「利休」の名をもらい、名実共に日本一の茶人になった。

 

また関白となった秀吉の側近として、諸大名に絶大な影響力を持つようになる。

秀吉と利休の蜜月の時だった。

 

少しづつ歯車が狂っていく。

1587年秀吉は九州を平定したことを機にあることを思いつく。

「北野大茶湯(きたのおおちゃのゆ)」と呼ばれる茶会を開くことにした。

 

これは身分に関係なく参加でき、参加資格は「お茶を入れれる器」を持っていくことだけ。

そして茶を振舞うのは秀吉自身ということだった。

 

その茶会に専好も参加していた。

利休は専好を見つけると、「花を生けてくれませんか?」と頼む。

専好はそれに応じ、見事な花を作り大衆は皆専好のことを褒めた。

 

利休の周りにたくさんの人が集まっているのを見た秀吉は

自分よりも利休が人気があることに不満だった。

 

そこに若い3人の娘の会話が耳に入ってきた。

秀吉の「黄金の茶室」を田舎者の発想と言い放ち、秀吉は猿だからと悪口を言う。

さらには「利休の茶と専好の花は最高だ」と専好の知り合いの娘李(とき)が言う

秀吉は石田三成に「専好とは誰だ?」と怒りながら聞いた。

 

秀吉は専好のことを知り、利休への嫉妬もあり

10日間続ける予定だった茶会をたった1日で終了させてしまうのだった。

 

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利休の死

それからというもの利休と秀吉の関係は悪化していく一方だった。

最も大きな原因は「2人の美に対する考え方が正反対」になっていったからだった。

 

秀吉は「黄金の茶室」と呼ばれる全て金でできた豪華な茶室を作り、

利休は侘びの精神の元、無駄を一切排して質素な茶器、茶室を作っていく。

 

関白になり絶大な権力を持った秀吉はその人間性までもが変わってしまい、

自らの重い通りにならないものを排除するようになっていた。

 

利休に突然2つの嫌疑がかけられた。

大徳寺の三門の上には利休像があり、その門を通り抜けることは

 利休の足に頭を踏みつけられているのと同じことであり屈辱的だ。

利休が茶器を売買し、莫大な儲けを得ている。

 

ただの濡れ衣であり、真の狙いは秀吉が利休に詫びを入れさせることだった。

しかし利休は謝罪しなかった為、京都にて切腹を命じられることになってしまった。

 

利休が謝罪しなかったのは「己の美を冒涜されないため」

権力によって秀吉は自分の美を利休に押し付けようとした。

それを認めてしまう事は利休にとって人生を否定されると同じことだった。

 

利休の首は一条戻橋に利休像の足に踏みつけられた格好で晒されていた。

それを見た専好は友の死を悲しみ泣いた。

 

専好は利休が死んでしまったショックで花を生けられなくなってしまった。

しかし吉右衛門が中心となり、町の皆が六角堂の花を求めていると専好に訴えると

専好は再び花を生けることを決意するのだった。

 

終わらない秀吉の暴走

1591年、秀吉の嫡男の鶴松が3歳で死去した。

秀吉は泣き喚き、世間はこれを「利休の呪い」だと噂した。

 

秀吉は利休に対して怒り、三成に4年前「北野大茶湯」で

自分を猿呼ばわりした娘を磔にしろと命令する。

 

4年前の話をいまさら持ち出すのもどうかと考えたが

秀吉の機嫌が多少でも良くなるのならと三成は娘3人だけではなく

その家族までも処刑したのだった。

 

3人娘の内の一人は専好が小さい頃から知っている

李という娘で専好の息子豊重の初恋の相手でもあった。

 

あまりの理不尽さに専好は腹の底から怒り

「いいかげんにせんかぁ、秀吉ぃ」と周りもはばからず叫んだ。

 

 

それだけでは終わらなかった。

今度は六角堂が謀反を起こすのではないかと疑われていた。

 

専好の人気と町自体の経済力を恐れた三成は

六角堂と町の人々の繋がりを断ち切ろうと考えた。

 

吉右衛門は六角堂の周りをうろつく怪しい人間の情報をキャッチしていた。

秀吉の差し金と読んだ吉右衛門は怪しいヤツラを問い詰めようとするが

返り討ちにあって死んでしまった。

 

度重なる悲劇を味わい専好は秀吉のことが許せず、

秀吉を討つ事すら考えるようになってしまった。

 

そして専好はついに一世一代の「いくさ」を仕掛ける覚悟をするのだった。

 

結末

専好は前田利家に秀吉と会う段取りをしてほしいと頼む。

 

だが身分が違うため、専好が普通に秀吉に会うことはできない。

そこで利家は秀吉が前田邸へ来る際に花を立ててくれれば

もしかしたら秀吉と会えるチャンスはあるかもしれないと提案する。

 

しかし北野大茶湯から秀吉の専好に対する印象は最悪だった。

出会った途端に難癖をつけられ処刑される可能性もあると利家は忠告する。

 

それでも専好は前田家に花を生けることを決意するのだった。

 

「これが自分の最後の作品となる」そう覚悟した専好は

家族との時間を大切に過ごし、そして前田邸へと出発したのだった。

 

前田邸に着いた秀吉の目に巨大な花が飛び込んできた。

あまりの大きさに言葉が出ず、ただ感心するばかりだった。

 

利家も秀吉が褒めてくれたことに安心していたが、

その花に近づいていくと4つの掛け軸が掛かっていることに気づく。

 

その軸には「猿」が20匹以上描かれており、それが松の木で遊んでいるように見えた。

秀吉は激怒し、「この花を生けたものを切腹にする!」と叫んだが、何か違和感を感じた。

 

その違和感の正体がわかると、今度は泣き出した。

「信長様、猿はここにいますぞ。」

誰も涙の意味を理解できなかったが、利家は理解していた。

 

そして秀吉は利家に

「この花を生けたのは、清洲城で花を生けた人と同じ人か」と聞き、

「池坊専好が生けた花です。」と答える。

 

秀吉は清洲城で信長から言われた言葉を思い出していた。

「よいか猿。戦に強いなど、なんの自慢にもならん。勝負は時の運。
しかし、茶や花は違うぞ。その人自身じゃ。茶も花もその者の内面が

磨かれないと良いものにはならん。よいか猿。己の価値を磨け。

そうしたら、戦に負けても人としては負けん。」

「猿よ。茶と花を、人の心を、大事にせえよ。そういう武将になれ」

 

そして秀吉は自分の行いを悔いて

「この花戦さ、わしの負けじゃ。専好殿にそう伝えよ。」

 

 

専好は利家の茶室にいた。

そこで利休の黒楽茶碗を取り出し、専武から預かった利休の書状を見る。

 

そこには猿の絵が描かれており、その猿は少し寂しそうな表情をしていた。

それは利休と秀吉が仲違いしてしまったことへの悲しみが見て取れた。

 

その絵に続いて、たった一行の文字が書かれていた。

「茶のいくさ 花のいくさ 我茶人として生きる 花の人として生きよ」

 

武士と同じように刀を持って戦うのではなく、花を持って戦えという意味だった。

そしてそれはこれからは武力ではなく、心の本当の豊かさを競う時代に向かっていることを示していた。

 

というわけで「花戦さ」のネタバレでした。

自由はなく、何気ない一言で命が散ってしまう時代に

自分の信念を曲げずに生きた利休と専好。

 

暴力ではなく自身の信念で人を動かす様は見ていて格好良かったです。

映画は2017年6月3日から公開です。

 

もっと「花戦さ」を知るために

物語のモチーフは前田邸の大砂物

「花戦さ」のモチーフとなっているのは、

池坊専好が前田利家の四間床に立てた花です。

 

出典:池坊 いけばなの根源

 

実際に掛け軸には20匹以上の猿が描かれていて

それが松と戯れているように見えたそうです。

出典:すき語りBLOG

 

小説の中ではこの猿の掛け軸を見て秀吉は激怒しましたが、

実際には秀吉は信長から「猿」と呼ばれていなくて

「ハゲネズミ」と呼んでいたようです。

 

実際は秀吉へのメッセージというわけではなく

この作品は池坊一代の出来物と称賛されました。

 

利休の逸話を紹介

千利休が、どのような功績を残したのかを紹介します。

小説をもっと面白く見るために役立てば幸いです。

 

 

現代にも続く茶道を完成させた。

利休が大成させた「侘び茶(わびちゃ)」

侘びとは一切の無駄を省き、これ以上削れるところがないほど

簡素な状態が美しいと考える、美の捉え方です。

 

利休の師匠、武野紹鴎(たけのじょうおう)

村田珠光(むらたじゅこう)の侘び茶の考えに共感し

「不足の美」を追求し、それを利休がさらに発展させていきます。

 

利休は侘び茶を10年で完成させています。

驚くべきことに、61歳という高齢になってから。

 

利休の死後も、「侘び茶」は残り

現代では三千家と呼ばれる3つの流派に受け継がれています。

 

利休七則(りきゅうしちそく)という考え方を提唱

利休七則とは、

1. 茶は服のよきように点て(何事も相手の立場に立って考える)
2. 炭は湯の沸くように置き(本質を見極める)
3. 花は野にあるように生け(本質を追求する)
4. 夏は涼しく冬暖かに(季節感を大事にする)
5. 刻限は早めに(時間にゆとりを持って早めに)
6. 降らずとも傘の用意(どんな時も準備を怠らない)
7. 相客に心せよ(お互いを尊重する)

 

詳しい内容は、こちら

 

利休は日本人の「おもてなし」の心を作ったといわれています。

現在にも続く「日本人らしさ」という考え方の基礎を作ったのが利休なのです。

 

侘びを感じるエピソード

  • 利休が秀吉に「朝顔が綺麗だから見に来ませんか」と誘ったときの話。

秀吉が利休の元を訪れると、朝顔は一輪も咲いていなかった。

秀吉がガッカリして茶室へ入ると、そこには一輪の朝顔が生けてあった。

利休は朝顔の花をすべて切っており、一輪だけ咲いていることで美が際立つ

ということを表現したのだった。

 

  • 自分で掃除した落ち葉を庭にバラまく

秋の庭を掃除していた利休は綺麗にした庭にあえて落ち葉を落とした。

不思議に思う周囲に対して、「少しくらい落ち葉があるほうが自然だ」と答えた。

 

  • 最後までお茶を振舞う

秀吉との対立で切腹を命じられた利休。

利休の切腹を見届け、秀吉にその首を持って帰ることが目的に使者に対して

「茶室に茶の支度がしてあります。」とお茶を振舞ったという。

 

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